伝統と挑戦
MITSUBOSHI 1887のオンラインストアにお越しいただき、誠にありがとうございます。ここでは、私たちの積み重ねてきた歴史や、ものづくりに懸ける想いをご紹介しています。ぜひご覧いただけますと幸甚です。
「MITSUBOSHI 1887(ミツボシ 1887)」という名に込められた想い
今から約130年前の1887年、木曽三川のほとり(尾州)に私たちMITSUBOSHI 1887の母体である三星毛糸は生まれました。始めは和服に使われる綿と絹の織物を艶やかにする「艶付け業」から始まり、文明開化に伴ってウールの生地作りへと変化してきました。
なぜ木曽三川のほとりだったのかと言うと、生地作りには良質な水が欠かせないからです。色を染めるには染料を溶かした水に糸や生地を浸さなければなりませんし、風合いの良い生地に仕上げるには織ったり編んだりした直後の堅い生地を水で洗って整えてあげる必要があるからです。これを染色整理と言います。木曽三川の豊かな軟水は、日本ならではの生地作りを可能にし、戦後の日本を支えた大きな輸出産業となりました。
三星毛糸は創業以来、高品質なものづくりを行うと同時に教育に力を入れており、予てより生産現場への見学受け入れを行っていました。その姿勢と実績を評価され、1968年には皇太子殿下(現在の平成上皇)にご行啓賜りました。この「使い手と作り手を繋げる」という精神は、今も脈々と受け継がれています。
もともと創業者の家紋(丸に三つ星)からとった「三星(ミツボシ)」という社名ですが、今日においてはトップクオリティの生地創りの証(ブランド)とも言えます。私たちはこの名に恥じぬよう日々研鑽を続けています。
持続可能な産業に向けた「海外展開と新たな挑戦」
日本の国内繊維生産量はバブル期の1990年をピークに縮小を続け、最盛期の10分の1以下となりました。三星毛糸が属する尾州産地を見ると、4,000社を超えた生地メーカーは100社程度を残すのみ。なんと、衣料品の自給率は3%を切っています。
そんな中、三星毛糸は現在、国内だけでなく世界のラグジュアリーブランドへ生地を提供しています。これまでの商慣習を見直し、自分たちの足で直接生地を提案しに行く。2015年にイタリアの高級メンズブランド「エルメネジルド・ゼニア」のMade in Japanコレクションに選出されたのを皮切りに、現在はLVMHグループやKeringグループなど多くの顧客が三星毛糸の生地を選んでくれるようになりました。
ただ、それだけでは持続可能な産業を創ることはできないということも実感しています。素材だけにとどまらず、培ってきた技術を活かして自分たちで洋服を創り、直接使い手に届ける・・・その為に「MITSUBOSHI 1887」は生まれました。