贈り物を選ぶときは、自分達らしさを表現できているかを大切にしたい(SOMA DESIGN 福井 武さん / kusakanmuri 堀田 理佳さん)

  • by SHOPSTAFF

MITSUBOSHI1887を愛用してくださっている「使い手」の声と出会うMeets VOICE(ミツボイス)。

今回は、クリエイティブスタジオ「SOMA DESIGN」のクリエイター福井 武さんと、恵比寿に店舗を構えるフラワーショップ「kusakanmuri」を経営する堀田 理佳さんご夫妻に、代表の岩田真吾(真)がお話を伺いました。

 

ファッション=服ではなく、世の中の動きそのものがファッション。

(真)
本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、現在のお仕事について福井さんからお伺いしてもよろしいですか?

 

(福井)
こんにちは、福井と申します。私は三宅デザイン事務所、イッセイミヤケを経て、2006年に仲間とクリエイティブスタジオ「SOMA DESIGN」のビジュアルクリエイターとして、ファッションを基軸にグラフィック、プロダクト、空間、映像やサウンドなど、ジャンルを問わずボーダレスにデザイン活動をしています。

その中でも、レディースブランド「SOMARTA」のブランディング、アートディレクションからデザインを手がけており、ファッション関係の方々にはそちらの方が馴染みがあるのではと思います。

 

(真)
自社ブランドを立ち上げるためのデザインスタジオではなく、様々なデザイン活動の一つがブランドだということでしょうか。

 

(福井)
そうですね。ファッションの世界においては「SOMA DESIGN」は「SOMARTA」を企画運営している会社になると思いますが、我々としてはブランドも一つのデザインプロジェクトとしてスタートしました。ですから、「SOMARTA」はSOMA DESIGN代表でもあるクリエイター廣川のデザインプロジェクトということになります。

 

(真)
ブランドも、SOMA DESIGNのデザイン活動におけるプロジェクトの一つなんですね。他には、どのようなプロジェクトに取り組まれているのでしょうか?

 

(福井)
TOYOTA Prius Primeのニューヨークでの技術展示や、イタリアのレザータイルメーカーstudioart社のインテリアアートウォール、最近では『Climbers 2020』(2020年11月23日開催)というオンラインビジネスカンファレンスのアートディレクションから空間演出、ステージデザインを手がけました。ブレイクスルーを実現した各界の著名人が登壇する人生の特別講義で、今は公式サイト内で期間限定ですがアーカイブ視聴ができると思います。

 

(真)
それはぜひ拝見したいです!具体的にどんなステージを作られたんですか?

 

(福井)
イベントテーマに合わせて、デザインコンセプトを立て、登壇されるスピーカーの方々の公演時間とともに変化する空間演出と、視聴者の反応やコメントもリアルタイムに空間構成に反映するステージアセットをデザインしました。

また、ファッションでは、香川県の北川縫製さん初のレディースブランド「ŚANUA」のブランディングやコンセプト、ロゴや衣服までトータルにデザイン&ディレクションしており、最近表参道ストアがオープンしたばかりです。

 
<福井さんの作品(左上:Climbers 2020 Art Direction / 右上:TOYOTA Prius Prime WIRE ART DISPLAY / 左下:studioart x SOMA DESIGN at B&B Italia Tokyo [geoscape] Art wall / 右下:ŚANUA #001 collection)>

 

(真)
ファッションというリアルなものから、アンリアルなバーチャル空間のデザインまで幅広いデザイン活動を行っているんですね。
では、福井さんがデザインの仕事をするようになったきっかけは何だったのでしょうか?

 

(福井)
大学は美術大学のファッション科だったのですが、絵を描くのが好きだったこともあり、学生時代からグラフィックデザインをやりたいという気持ちが強かったんです。

またアップルコンピュータとの出会いやイベントでのグラフィックや空間演出、趣味で写真を撮ったりしていましたね。それがきっかけということではないのですが、前職ではその経験を活かすことができ、テキスタイルの柄やグラフィック、ショップの空間デザインをさせていただき、今現在のデザインのベースになっていると思います。

 

(真)
大学時代のご経験が、先程おっしゃっていた限定されないデザインの仕事につながったんですね。

 

(福井)
そうですね。ファッション科では服作りだけをしていたわけではなく、「世の中の動きや、起きている出来事がファッションであり、ファッション=服じゃない」と学びました。

私たちがデザインを学び始めた当時は、まだまだ一つの専門性がより重視される傾向にあったと思うんです。「ファッションデザイナーは、ファッションデザインだけを突き詰める」という感覚が強かったというか。
もちろんそれも大切だと思いますが、私の場合はファッションデザイン以外にもデザインという大きな世界には様々な領域があり、グラフィックデザインや写真などに興味があるのに手をつけないというのが我慢できなかったのです。

その時にふとした恩師のこの言葉をいただき、とても楽になったのを記憶しています。
今でこそデザイン界を横断する仕事や取り組みは多いですが、世の中の流れという意味では早いうちからその波に乗れていたのかなという気がします。

 

ただおしゃれな花屋ではなく、想いやメッセージを表現できる花屋をつくりたかった。

(真)
では続いて、奥様の堀田さんにお話をお伺いしたいと思います。堀田さんは恵比寿のフラワーショップ「kusakanmuri」のオーナーであり、株式会社草冠の代表を務められていますが、まずは現在に至るまでの経緯をお聞かせいただけますか?

 

(堀田)
はい。私も以前は主にWebデザインを仕事にしていたのですが、当時いたデザイン会社で新規事業として立ち上げたのが、現在代表を務めている「草冠」でした。

 

(真)
前職の新規ビジネスが草冠の始まりだったんですね!デザイン会社が花のビジネスを立ち上げるのは面白いなと思うのですが、一体どうして花だったのでしょうか?

 

(堀田)
デザインの仕事の商流というのは基本的にBtoBで、使い手としての消費者を想定はするものの、エンドユーザーと直接のコンタクトはないのです。そこで、自社で直接消費者と関わることのできるプラットフォームを持ちたいとなり、その実験的プロジェクトとして2011年に草冠がスタートしました。

「植物」「花」という商材は、人々の生活を豊かにするアイテムとして、また、無機的なものより有機的なものを提供したいというところからの選択ですね。私は最初の企画やブランディング、商品構想などに関わりました。

 

(真)
会社初のBtoCビジネスの試みだったわけですね。
では、草冠の「取り扱っているのは白とグリーンの草花のみ」というコンセプトがとても珍しくて魅力的だなと思うのですが、それは最初から決まっていたのでしょうか。

 

(堀田)
そもそも実験的なプロジェクトでしたから、最初の命題は「花を売らない花屋を作れ」だったんです。
そこで、自分たちが花を通じて何を届けたいのか議論をしたのですが、2011年は東日本大震災があった年でしたから、多くの方に「癒やし」をお届けしようと、癒やしの色の「グリーン=草」をメインのコンセプトにしたのです。
そして、そのグリーンに一番似合う色としての「白」ですね。赤やピンクの花を組み合わせてしまうと花が主役になって草が脇役になってしまうので、「草」が主役になるための白い花を選択しました。

草冠の立ち上げメンバーは、グループ内のデザイン会社と出版社から集まった面々で、つまり、フローリストでもなく花に関する経験は全くない、デザイナーと編集者が作った花屋なんです。もしチームメンバーの中に花屋を経営したことがある人がいたら、「緑と白」の2色のみというアイデアは却下されていたのではないでしょうか。
「ただおしゃれな花屋」を作るつもりはなくて、色に込めた想いやメッセージを表現できる花屋であることが重要で、そのためにはコンセプトを際立たせる必要がありました。

 
<kusakanmuri店頭の緑と白の草花>

(真)
全くの異業種同士が集まったからこそ生まれたアイデアだったのかもしれないですね!
その後2017年にグループから独立し代表になられたということですが、どういった背景から独立を決意されたのでしょうか?

 

(堀田)
実店舗を持つ事業体としてもう少しフットワーク軽く色々動きたい、というのがありました。
グループに所属していると、グループの決裁を取ってトップの承認をもらって…という段階を踏む必要がありますよね。でも実際の客商売って、今日来たお客さんに「こういう商品ないの?」と言われたら、それを明日には仕入れるくらいのスピード感でやっていかないといけない。
そういう中で、グループ全体の規模感と草冠の規模感が、なかなか合わなくなってきたというのがあったと思います。

 

(真)
それは社内ベンチャーあるあるかもしれないですね。小回りの利く小さな会社の方がお客様への距離も近く、より良いサービスが提供できるという面は少なからずある気がします。

 

この状況で会いたいと思う人こそ、「自分が本当に会いたい人」。

(真)
では、そんなお二人の出会いについてもお聞かせいただいてよろしいですか?

 

(福井)
知り合いの方との食事の場に同席したのが最初でした。でもその時は何もなく、次に会うまで一年半ぐらい経ちましたね。
それで、今年の夏に私がプレゼント用にお花を買う機会があり、何かコンセプトのあるお花がいいなと考えていた時に理佳さんのお店を思い出して。その時にお花を買いに訪れたのが直接的なきっかけですね。

 

(真)
そうだったんですね。お店に行かれた時、堀田さんはどんな反応だったんですか?

 

(福井)
「お久しぶりです」みたいに普通の対応でした。(笑)

 

(堀田)
普通の対応(笑)。でも、その後また知り合いを含めて会う機会があって、そのあたりからご飯を一緒に食べたり、出かけたりするようになった感じですね。

 

(真)
出会い方がなんだか現代的で、素敵ですね!このコロナ禍で人と人の繋がりがより強固になったり、逆に分断なんかもあったりしましたが、そういう中でお二人が出会われて結婚まで至ったというのは、象徴的な感じがします。

 

(堀田)
そうですね。
コロナになって、会う人とは頻繁に会うけど、会わない人とはめっきり会わなくなってしまいました。もちろんタイミングだったり、その人の生活スタイルや住んでいる場所など、いろんな要素があるとは思うんですが、難しいのは会うこと自体がリスクにもなるというところ。

そういう意味では、この状況でも会いたいと思う人って「自分が本当に会いたい人」だと思うし、行動が自由にならない中で無理なく自然に会うことができたのは、それはまさにご縁があるということなのかな、と感じてます。

 

(真)
人間関係がシンプルになっていく中で、お互いに本当に会いたいなと思える存在だったんですね!

 

最初の印象やキャラクターづくりは、その後仕事をしていく上でとても大切。

(真)
MITSUBOSHI 1887を知っていただいたきっかけは、昨年のレクサスクラフテッドマルシェでkusakanmuriとMITSUBOSHI 1887がご一緒したことでしたね。今年は、kusakanmuriと「母の日」と「クリスマス」でコラボもさせていただきました。

今回、ご夫婦でメリノフーディーをペアルックでご購入いただきましたが、感想はいかがですか?

 

(堀田)
まず、「バニラ」という色名がとてもいいなと思いました。kusakanmuriの商品開発でもこだわっている点ですが、ネーミングはその商品の特徴や世界観を表す大事なものですよね。選ぶ時にしか意識しないことかもしれないけど、この優しい色合いが名前にも現れていて、いいなあと思います。

ウールのフーディーと聞いて厚手なのかな?と思ったら、薄くて軽やかなのに驚きました。そして着てて本当に暖かい!
薄手なので、下にも上にも重ね着ができてコーディネートの幅が広がります。また、お家でお洗濯できるのも嬉しいです。

あとは、本当に肌触りがよくて柔らかいところが好きですね。夫と同じサイズの色違いにしたので、私には少し大きめのサイズなのですが、オーバーシルエットでラフな感じで着るのが気に入っています。

ペアルックとか普段はしないですけど、こういうシンプルなアイテムだとお揃いで着てもいいですね。一見そうは見えないけど実はお揃い、くらいがさりげなくて素敵。
デザインもユニセックスだから、どちらも着れて、同じサイズの色違いにしたのは、黒も着たいなーと思ったから。その日の気分で色を選べばいろんな着こなしができます。時々交換したりして、今日はどっち着る?なんていう会話も楽しいかな(笑)

 

(真)
ありがとうございます。堀田さんは普段からラフな服装をされることが多いんですか?

 

(堀田)
それは色々ですね。客先でのプレゼンや交渉ごとがある日はパリッとした格好をしていきますし、店舗で一日作業、みたいな日は動きやすい格好をして行きますね。会う相手や目的、シチュエーションに合わせて服装を変えることで自分のテンションも変わるので、自身にスイッチを入れるという意味もあります。

 

(真)
服装を変えるだけで与える印象を変えられるだけでなく、メリハリもつきますよね。
福井さんはファッションのプロでもいらっしゃいますが、普段はどんな服装が多いですか?

 

(福井)
普段は化学繊維の服を着ることが多いです。だから天然繊維のメリノフーディーは普段の化学繊維の服にどうコーディネイトしようかなと考えていました。私は、朝一日の動きを考えてその日の服装のレイヤードを決めています。例えば、汗をかきそうな日だったら今日は吸収・速乾性に優れた服がいいかなとか、寒い日は天然繊維と合わせて着た方がいいかなとか。

でも、アウトフィットの印象は基本的に毎日変わらないようにしています。
仕事柄毎日たくさんの人と会うのですが、いつも同じ印象を持ってもらおうと思っています。
だから、お店の店頭で接客していても「あ、同じ人がいるな」って見分けてもらったりとか、仕事の相手先でも「あの人会ったことあるな」と思ってもらえるように、いつも大体同じ印象を与える服を着ています。会った人達に私の絵を描いてと言ったら、たぶんみんな真っ黒な服の人を描くと思います。(笑)

そういう最初の印象やキャラクターづくりは、仕事をしていく上でとても大切だと思いますね。だからメリノフーディーも、生地が柔らかくスムースで肉薄なのに保温性もあるので、アウターやインナーどちらにも使用できレイヤードの幅が広がりますね。

 

(真)
ありがとうございます。セルフブランディングみたいな概念も昔は一部の人のものだったと思いますが、最近は増えてきていますよね。改めて、ファッションの果たす役割って様々だなと思います。



贈り物は相手にフィットし、かつ私たちらしいものを選びたい。


<クリスマスのアレンジメント「ビュッシュ・ド・ノエル」>

(真)
クリスマスのギフトシーズンが近くなっていますが、お二人にとって贈り物の意味や価値、面白さなどはどんなところにあると思いますか?

 

(福井)
まず、改めて人にものを贈るのはとても難しいなと思いますね。
私は自分が何かを贈ったり、反対に贈り物をもらったりする習慣に乏しい方なんですが、もし何かを贈るならその人が本当に欲しているものを渡したいと思うんです。

だから、いざ人にものを贈ろうとなった時に、果たしてこれは本当に贈っていいものなんだろうかと悩みますね。
コロナで人になかなか会えない今は、贈り物に対する比重が高くなっているし、受け取った人はその贈り物を通して、贈ってくれた人の存在をより強く感じられるんじゃないかと思います。

 

(真)
人が会えないからこそ、贈り物に想いを託す方が増えている気がしますよね。その分、選ぶときもよく考えて選んでいるんじゃないかと思います。堀田さんはどうでしょうか?

 

(堀田)
花屋を利用する目的の大半が贈り物なんですが、今年、特にご利用が多かったのが5月のゴールデンウィークと8月の帰省のタイミングです。緊急事態宣言も出てましたから、お花だけではなく「帰れないけれど、代わりにお花を贈ります」などのお手紙を添えて贈る方がたくさんいらっしゃいました。「贈り物に想いを託す」、まさにそういう贈り方ですね。

また、この秋に結婚したこともあって、ありがたいことにお祝いをたくさん頂き、そのお返しのためにここ2、3ヵ月くらいずっと二人で贈り物探しをしています。
いわゆる形式的な内祝は検索すれば山ほど出てくるわけですが、やはり「ありきたりのものを贈りたくないな」と思っています。
相手の方にちゃんとフィットするものを選びたいし、私たちらしい贈り物をしたいという想いもあるので、そこはすごく考えて選んでいます。
相手のことを想いながら、これがいいかなあれがいいかなと考える時間もまた楽しいですね。

 

(真)
贈り物って相手に喜んでもらうのはもちろんですが、「自分らしさ」を伝える表現方法の一つかもしれませんね。
形式的なものよりもそういった贈り物の方が、もらう側もより嬉しく感じるんじゃないでしょうか。

MITSUBOSHI 1887のメリノフーディーも、ぜひお二人らしく着こなしていただけたら嬉しいです。本日はありがとうございました!

 

福井さん 堀田さん ご夫妻がご愛用中のメリノフーディーはこちら

MITSUBOSHI 1887 × kusakanmuri『雪が降り積むクリスマスリース』はこちら

 

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