認定NPO法人Homedoorの夜回り活動「ホムパト」に参加してきました – MITSUBOSHI 1887
 

認定NPO法人Homedoorの夜回り活動「ホムパト」に参加してきました

  • by SHOPSTAFF

MITSUBOSHI 1887の杉山です。

今月(2023年2月1日〜28日の1か月間)は認定NPO法人Homedoorへの寄付キャンペーン「あなたのぬくもりを、社会(だれか)のぬくもりに」を開催しています。
【詳細はこちら】

第3回となる本キャンペーンを実施するにあたり、「ただ寄付をするだけ」ではなくボランティアに参加する事でもっと何かの力にならないか…と思い、MITSUBOSHI 1887のスタッフ3名(杉山、今野、中村)でHomedoorの夜回り活動、通称「ホムパト」に参加してきました。

今回はそのレポートをお届けします。


◆目次
ホムパトとは?
初回参加者説明会と事前準備
ちょっと変わった(?)全体ミーティング
約2時間の夜回り活動
終わりに


◆ホムパトとは?



「ホムパト」とは、月に1回(冬季は2回)大阪市北区でお弁当を配りながら野宿している人の安否確認を行う活動の事です。
私たちは1月28日(土)の回に参加してきました。

この活動は、お弁当に加えてマスクやホッカイロなどの生活に必要な物資と一緒に「ホムパト通信」と呼ばれるチラシをお渡しする事で、困っている方のための制度や支援と繋がりやすくする仕組みを作っています。

◆初回参加者集会と事前準備

ホムパトに初めて参加する人は「初回参加者説明会」に参加します。
初回参加者の自己紹介を行った後、Homedoorの活動内容とホムパトの注意点などの説明を受けます。

内容は、Homedoorがどんな活動をしていて、なぜ大阪市北区で活動をしているのか。また、なぜホームレス状態にある方はそこから脱却できないのか。ホムパトでは何をして、その時に何を注意すべきなのか、というものでした。


この日の初参加者はMITSUBOSHI 1887のスタッフ3人と、Hさんという方の計4名。
自己紹介ではHomedoorを知ったきっかけとホムパトに参加した理由を共有します。

私たちは先述したように「寄付キャンペーンを行うにあたって自分達も実際に現場で活動したい為に参加している」とお伝えし、Hさんからは「近所にいるホームレス状態の方に支援をしているものの、個人的な支援では限界がある。Homedoorのノウハウを学ぶために、ボランティアに来た」というお話しを伺いました。

活動についての説明を受けた後はホムパトの準備開始です。
Homedoorのスタッフさん、また既に何度かホムパトに参加されているボランティアの皆さんと共に大きく2つのグループに分かれ事前準備に取り掛かります。



一方のグループには今野が参加し、生活必需品と差し入れのコーヒーなどの袋詰めを行いました。しっかりと必需品をお渡しできるように数を確認しながらの作業です。



もう一方のグループには杉山、中村が参加。「ホムパト通信」に一筆メッセージを書いていきます。直接メッセージを書くことで、少しでも気持ちが伝えられる重要な任務です。約100枚のホムパト通信に、7人で気持ちを込めて大きな文字でハッキリと「寒い時期なので体調には気をつけて」「暖かくしてくださいね」「良かったらHomedoorに来てください 」などのメッセージを顔文字(^ヮ^)なども絡めて書き込みました。


ホムパト通信をセットしたお弁当をコースごとに振り分けて準備完了。
お弁当は梅田の”てつたろう”さんが提供してくれてます。”てつたろう”の拘りは、「ボランティア弁当だからって手は抜かない! 旨い弁当を届けたい!!」という事です。素晴らしいですね。確かに私達も食べたくなるくらい美味しそうなお弁当でした。


◆ちょっと変わった(?)全体ミーティング

準備が終わったら出発前の全体ミーティングです。毎回参加者は違うので自己紹介をしながら本日のトピックについて各自コメントをします。この日のトピックは「寒さにとても弱い出題者に、おススメの防寒対策を教えてあげる」でした。ここがちょっと面白い。

「サプリメントを飲む」、「乾布摩擦」、「いっそもっと寒いところでしばらく暮らして帰ってくる」など、十人十色の回答がある中で、私は「メリノTシャツの上にメリノタートルを着て、その上にメリノパーカーを着たらいいですよ」とためになる防寒対策を伝授してきました。
最終的に出題者の心に響いたコメントは2つ。
「サプリメントを使う」と、今野が提案した「ウールの腹巻」でした。

ひとしきり和んだところでこの日のお弁当の献立を聞き、諸注意を受けてそれぞれのコースごとにホムパトへ出発します。


◆約2時間の夜回り活動

時刻は20時15分。合計4つのコースに分かれて夜回り活動スタートです。
MITSUBOSHI 1887の3人は、それぞれ別のグループに別れました。杉山と中村は徒歩で夜回りするグループ、今野は自転車で夜回りをするグループです。荷物を持ちながらの移動なので、結構体力を使いました。

各自の感想を簡単にご紹介しますね。


(杉山)
この冬のホムパトで一番寒い日、という程の凍える日に夜回りができたのは良かったと思います。
25個のお弁当と必需品を5人で手分けして持ち、1時間半~2時間かけて町中を歩く中で、何人ものおっちゃん(ホームレス状態にある方をこう呼んでいます)と出会い、会話をする事ができました。

道中Homedoor理事の松本さんからは、おっちゃんたちが横になれる場所が年々減っている事、お弁当の受け取りを拒否される方にも色々な事情や心情がある事をお話し頂きました。

説明会で受けた注意事項に気を配りながらコミュニケーションをとる中、二人連れのおっちゃんからお話しを聞く機会がありました。
その中でこの日一番心に残った一言が、「今日は特に寒い。寒いを通り越して痛いくらいやな」という言葉でした。
その後の会話を経て、「なら、週明けに二人そろってHomedoorに顔を出すわ」と言ってくれた二人が、予定通り来てくれていたら…と思います。

私が参加したルートでは、20人の方にお弁当をお渡しする事ができました。
この日に夜回りがあると知っていて待ってくれている方もいれば、「こんな活動をしている所があるんだね」とHomedoorを初めて知った方もいらっしゃいました。
変わりたいと思った時に力を貸してくれる存在を知っているかどうかでハードルの高さは大きく変わってくると思います。
今回のホムパト参加のみで終わらず、機会を作ってボランティアに参加するなり寄付ができればと思います。


(今野)
私は河辺を自転車でまわるコースでしたが、この日は半数近くの方がすでに就寝されていたり、生活拠点にいませんでした。川沿いで生活をされていると雨や雪はある程度防げるものの、吹き込んでくる寒さはなかなかに厳しいものがあります。
この日も前週から続く大寒波の影響で夜間は特に冷え込んでいたので、早いうちから布団や寝袋に入り休まれていたのではと思います。

またあまり会えなかったもうひとつの理由として、この日はパトロール準備が過去最速で終わったようで、少し出発時間が早まりました。そのことでまだ活動をしている人が生活拠点に戻ってきていなかったのかもしれないね、と一緒に参加したチームメンバーと振り返ったのですが、待ち合わせ場所も指定せずスマホで連絡することもある時代とは思えない「会えなかった理由」だなと思ったのを覚えています。

はじめてパトロールに参加して感じたことは、人がひとりひとり異なるのと同様「ホームレス状態の人」というのも一括りにはできない、いうことです。
バックグラウンドが違う人、目指していることや今求めていることが違う人がいるのはどこにおいても同じで、だからこそ関係性が必要なんだなということを強く感じました。
そのためには接点をいかにして持って関係性を築くのかがとても大切だろうなと思います。

そういえばこの日は防寒対策について若干の不安があるまま参加したのですが、ほとんど寒さを感じることはありませんでした。自転車を一生懸命漕いだこともありますが、一人一人に声がけするリーダーを見て人の温かさを感じたことも関係があるのではないかと思います。

自分たちが住む地域の状況もパトロール中に気になったので、調べる機会を作ろうと思っています。貴重な学びの機会をいただきありがとうございました。
次回の夜回りは2/25(土)とのこと。興味のある方はぜひ問い合わせてみてください。


(中村)
私の参加したグループは北区の賑やかな地区を夜回りするグループでした。「てつたろう」によってお弁当を直接受け取って夜回り開始です。6名で27個のお弁当と生活必需品を持参します。

この賑やかな地区の特徴は、路上生活者が比較的多く新規の方もいることです。また、駅やビルを細かく動き回るので、とにかく歩きます。難しいところは飲酒者などと路上生活者の見分けがつきづらいところです。ビルの一画のベンチに座っていたりするので私では見分けがつかないです。特に新規の路上生活者の方かの見分けは至難です。

全部で21人の路上生活者の方にお会いしました。座っている方や寝ている方に対しては、自分達も低い姿勢となり同じ目線で話すことが重要であると感じました。この活動は路上生活者が、もう一度自立したいと思った時に支える活動です。無理に自立を促すものではないです。これは職場や家庭でも同じような気がします。強制するのでは無く、人が変わりたいと思ったタイミングで周りにサポーターがいるって重要だと気づきました。ボランティアは人のためにやるのでなく、自分のためにやるものであると改めて感じました。


◆終わりに

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
この活動に興味を持った方、ぜひ「助けてほしいけど、『助けて』と⾔えない⼈」と「何かしたいけど、何と声をかければいいのかわからない⼈」をつなぐホムパトにご参加いただければと思います。

また、認定NPO法人Homedoorは今回ご紹介したホムパトの他、寄付や相談ボランティアなど様々な形での応援が可能です。

【ボランティアについてはこちらからご覧ください】

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